海外に荷物を送りたいけれど、緩衝材や箱をどのように選べばいいのかがわからない人は多いでしょう
海外への発送は日本国内での輸送事情とは大きく異なり、破損によるトラブルが多いため、適切な緩衝材や資材を使って梱包・発送することが大切です。
今回は現役輸出プレイヤーであるゆうきが、DHLの梱包資材について解説します。
この記事を読むメリットは、以下の3つです。
メリット一覧
- DHLで注文できる梱包資材がわかる
- 梱包資材の発注方法がわかる
- 発送するときの注意点がわかる
公式サイトからの注文方法や発送時に注意してほしいことまで詳しく解説するので、DHLの梱包資材を探している人は、ぜひ最後までお読みください。
DHLでは無料で梱包資材を注文できる
DHLは梱包資材や緩衝材を無料で配布しています。
公式サイトから注文するだけで届けてもらえるので、種類やサイズを確認して発注しましょう。
素材やサイズも豊富に用意されているため、発送したい物に合わせて必要な資材を発注できます。
公式サイトの「MyDHL」では梱包ガイドが用意されており、詳しい梱包方法が紹介されています。
発送時のトラブルを防ぐためにも、梱包資材を注文したときに目を通しておきましょう。
DHLで注文できる梱包資材の種類
DHLで注文できる梱包資材は、次の5つです。
- 箱
- エクスプレスチューブ
- エンベロープ
- ビニールフライヤ
- ビニールポケット
それぞれの特徴やサイズなどを詳しく見ていきましょう。
1. 箱
箱(BOX)は普通の段ボール箱で、商品のサイズ・重量ごとに選べるようになっています。
種類別の寸法と最大重量は、以下のとおりです。
サイズ | 最大重量 | |
---|---|---|
Box3 | 33×32×9 cm |
2kg
|
Box4 | 33×32×18 cm |
5kg
|
Box5 | 33×32×34 cm | 10kg |
Box6 | 41×35×36 cm | 15kg |
Box7 | 48×40×38 cm | 20kg |
Box8 | 54×44×40 cm | 25kg |
Box2 Shoe | 33×18×8 cm | 1kg |
商品が重すぎると輸送時にBoxが破損してしまう可能性があるため、最大重量を超えないようにします。
とくに、壊れやすい物や重い物については耐久性の高い大きな箱にするなど、慎重にサイズを選びましょう。
2. エクスプレスチューブ
エクスプレスチューブは三角柱の段ボールで、縦長の商品を発送したいときに便利な箱です。
サイズは以下の2種類です。
サイズ | 最大重量 | |
---|---|---|
エクスプレスチューブ小 | 47×15×13 cm | 2kg |
エクスプレスチューブ大 | 97×17×15 cm | 5kg |
普通のBoxでは発送しづらいポスターなどの細長いものは、エクスプレスチューブがおすすめです。
最大重量が設定されているので、大きさや重さに合ったものを選びましょう。
3. エンベロープ
エンベロープは、書類を送るときだけに使える専用資材です。
エンベロープのサイズと最大重量は、以下のとおりです。
サイズ | 最大重量 | |
---|---|---|
エクスプレスエンベロープ (厚紙タイプA4サイズ) |
31×23×1cm | 0.3kg |
エンベロープ (カード、厚紙タイプ) |
35×27×1cm |
0.5kg |
24ページ以下、または500g以下の書類を送るときは、エンベロープが最適です。
厚紙で封筒タイプの資材なので、書類が曲がったり折れたりする心配もないでしょう。
ただし、書類以外の物を発送するときには使えないので注意してください。
4. ビニールフライヤ
ビニールフライヤは、海外への輸送にも耐えられる強度と耐久性を持つ、ビニールで作られた梱包資材です。
衣類など破損の恐れが少ない物や箱のまま袋に入れられる物など、工夫して利用することで送料が節約できます。
ただし、耐久性のある袋とはいえ衝撃には弱いので、しっかり対策を取ってから使うようにしましょう。
また、料金体系は空港によって算出方法が異なり、実重量もしくは容積を元に計算されます。発送する際は、事前に見積もりを取っておくことをおすすめします。
5. ビニールポケット
ビニールポケットは、発送ラベルを入れるための専用袋です。
ダンボールを使って発送する場合は必須となるので、必ず一緒に発注しておきましょう。
エンベロープやフライヤーを使って発送するときは、発送ラベルを入れる場所が用意されているので、ビニールポケットは不要です。
DHLで発送するときに使用する内部梱包資材の種類
DHLで発送する際は、内部梱包資材も適切なものを使いましょう。主なものは以下の7つです。
- 気泡緩衝材
- フォームシート
- フォーム緩衝材
- エアバッグ
- しわ紙
- 板紙の仕切り
- シュレッダー紙
形状やおすすめの使い方について、簡単に説明します。
1. 気泡緩衝材
気泡緩衝材は「エアーキャップ」と呼ばれる気泡(空気)を緩衝材として使った梱包材のことです。
気泡がクッションとなり衝撃から商品を守ってくれるもので、軽くてクッション性があることから、さまざまな物の梱包に使われます。
衝撃の吸収や商品の保護だけでなく、隙間を埋めるのにも使えるので、使い勝手のよい梱包材のひとつです。
2. フォームシート
フォームシートとは、発泡ポリエチレンなどで作られたシート状の緩衝材のことです。
シートになっているため商品を包み、保護しながら衝撃を吸収したり、丸めて緩衝材として代用したりすることもできます。
軽くて使いやすいので、気泡緩衝材と同じように商品の保護や緩衝、隙間を埋めるためにも使えるでしょう。
汎用性の高い梱包材なので、手元にあると便利です。
3. フォーム緩衝材
フォーム緩衝材はフォームシートをより分厚くしてブロック状にカットした緩衝材のことです。
割れ物などより衝撃を吸収したい商品の梱包や仕分けなどにおすすめで、商品によって厚みを変えることで、衝撃を受けて破損するのを防げます。
また、分厚い仕切りとしても活用できるため、しっかり固定しておきたい商品や隙間を埋めたいときにも便利です。
ほかの緩衝材と組み合わせて使うことで、より安全に梱包できるでしょう。
4. エアバッグ
エアバッグは空気入りの緩衝材で、箱の中で商品がズレ防止や、底や側面などに敷き詰めて衝撃から守ってくれます。
上述の気泡緩衝材よりも軽く、商品を固定しやすいことが大きな特徴です。
大きさや形状などの種類が豊富にあるので、商品に合わせたエアバッグを使うと、梱包が楽になるでしょう。
5. しわ紙
しわ紙とは、柔らかくしわ加工がされている紙のことで、表面にある立体的な凸凹が大きな特徴です。
薄くて扱いやすいことや自由に形を変えられることから、割れ物の包装や隙間を埋めるのによく使われます。
紙なので緩衝材として使用した後も、処分に困ることはありません。
6. 板紙の仕切り
1つの箱で複数の商品を送るときに役立つのが、板紙の仕切りです。
輸送中に商品が動くのを防ぐだけでなく、隙間を埋めたり箱を分割して梱包しやすくしたりして保護する役目もあります。
板紙は捨てやすく、保管時にも嵩張りにくいのもメリットです。
Boxで商品を送るときや、まとめて1つの箱で送りたいときに使うよいでしょう。
7. シュレッダー紙
シュレッダー紙はシュレッダーで細く細断した紙のことで、「ペーパークッション」「紙パッキン」などとも呼ばれます。
ギフトラッピングに使われることが多く、緩衝材としての役割を果たしながらおしゃれに梱包できるのが特徴です。
紙の種類や色などを変えることで、おしゃれなオリジナルの緩衝材も簡単に作れます。
商品の保護だけでなく、隙間を埋めるときにも役立つでしょう。
DHLで梱包資材を注文する方法
DHLの梱包資材は、パソコンやスマートフォンなどから簡単に注文できます。
DHLの公式サイトの上部から「発送」⇒「梱包資材の注文」の順にクリックしてください。
最初に、自分のアカウント番号を入力します。
アカウント番号を保有していないと注文できないため、アカウント登録をしていない人は事前に登録が必要です。
次に、発注できる梱包材がリストになっているので、欲しい数量を入力していきます。
入力が終わったら、一番下にある「次へ」をクリックします。
最後に送付先を入力し、当てはまる画像をクリックしたら「確定」をクリックして完了です。
注文内容や送付先の住所に間違いがないか確認してから、注文してください。
DHLで発送する時の注意点
DHLで発送するときは、以下の5点に注意してください。
- 送料は容積重量か実重量の重い方の金額になる
- 使ってはいけないテープがある
- 荷物に合わせて適切に梱包する
- 品目や重量は正しく記載する
- 送料以外の追加料金に注意する
詳しく解説していきます。
1. 送料は容積重量か実重量の重い方の金額になる
DHLの送料は、梱包資材によって容積重量か実重量の重いほうの金額になります。
容積重量と実重量の違い
- 容積重量
⇒荷物の寸法(長さ・幅・高さのcm単位)に基づき密度比が適用される - 実重量
⇒梱包やパレットを含む荷物の総重量
例えばBoxの容積重量が1.2kg、重さが3kgだった場合は、重いほうである後者の3kgの送料が適用されます。
ちなみに、容積重量は以下の計算式で算出できます。
容積重量の求め方
容積重量=長さ(cm)×幅(cm)×高さ(cm)÷5,000
<計算例:30×60×90cmの荷物の場合>
容積重量=30×60×90÷5000=32.4kg
可能であれば、実重量と容積重量の両方を算出しておくと、送料の計画を立てられるでしょう。
2. 使ってはいけないテープがある
DHLでは輸送中のトラブルを避けるために「感圧接着テープを使用してください」とガイドラインで案内されています。
Boxやビニールフライヤを密封するときは、以下のようなテープを使いましょう。
DHLで使えるテープ
- ポリプロピレンテープ (茶色のプラスチックテープ)
- ビニール粘着テープ (絶縁用/防湿テープ)
- 繊維強化紙テープ (ダクトテープ)
また、途中で箱が破損するのを避けるために、すべての継ぎ目部分をテープでしっかり封印してください。
以下の画像のように、H型になるように梱包するのがおすすめです。
反対に、以下4つのテープはDHLでは使えないので注意してください。
DHLでは使えないテープ
- クラフトペーパーテープ
- マスキングテープ
- セロハンテープ
- ひもやロープ
3. 荷物に合わせて適切に梱包する
DHLでは無料で梱包資材をもらえますが、荷物の内容に合わせて正しく梱包材を使うことも大切です。
Boxで丈夫だからといって商品を適当に詰めてしまうと、輸送途中に中身が動いて破損してしまう可能性があります。
また、送料が安いからといってビニールフライヤばかり活用すると、輸送途中で潰れたり変形したりすることも考えられます。
荷物のサイズや重さに合わせた梱包材を使うのはもちろんのこと、緩衝材もしっかり用いて輸送途中のトラブルを防げるように工夫しましょう。
4. 品目や重量は正しく記載する
発送ラベルには、品目や重量を正しく記載するようにしましょう。
DHLでは取り扱えない物・特別な梱包が必要な物が明確に決められているため、正しく記載されていないと発送できません。
DHLで発送できない物は、以下のとおりです。
DHL Express 禁制品目
- 生きている動物(哺乳類、爬虫類、魚類、無脊柱動物、両生類、昆虫類、鳥類等)
- はく製の動物や、象牙やサメのヒレ、動物の遺体や遺灰、食用を目的としない畜産副産物、動物性由来の製品でワシントン条約やその他地域の法律によって禁止されているもの
- 人骨(遺体・遺灰など)
- あらゆる貴金属の地金
- 現金(銀行券、紙幣、硬貨など現在の法定通貨)
- 貴石および半貴石の裸石(カット、研磨の有無に関わらない)
- 銃器、弾薬、爆発物、爆発装置(空の爆発物、テストピース、空気銃、レプリカまたは模造の銃器または弾薬を含む)
- 麻薬、覚せい剤、抑うつ剤、幻覚剤などの違法薬物を含むがこれに限定されない非合法貨物。大麻またはその派生物
引用:DHL禁制品目
上記以外にも、知的財産侵害物品(偽造品、違法コピー商品等)の取扱いは禁止されています。
また、発送制限がかけられている商品もあるため、事前にチェックしておきましょう。
5. 送料以外の追加料金に注意する
DHLでは、送料以外に追加料金がかかるケースもあります。
追加料金の内訳
- 燃油サーチャージ料(航空機燃料割増料)
- 遠隔地配達手数料
- 配達先変更手数料
- 緊急事態追加金
- 返送料など
とくに、荷物の受け取りを拒否された場合は高額な返送料に加えて関税も発生するため、さらに大きな負担になります。
梱包資材を無料で提供してもらえる反面、送料や上記の追加料金が予想外に必要になるケースもある点は、考慮しなければなりません。
送料は利益にも大きく関わってくるため、詳細をきちんと調べてから利用するようにしましょう。
DHLの梱包資材でよくある疑問
最後に、DHLの梱包資材でよくある疑問について回答します。
Q. DHLで発送する際は自前の梱包材を使ってもいいですか?
自前の梱包材を使って発送するのは問題ありません!
ただし、耐久性や強度が高い資材を用いたうえで、適切に梱包することが大切です。
自前の箱を使う場合も、発送ラベルを入れるためのビニールポケットは必要になるため、必ず公式サイトから取り寄せてください。
Q. DHLで梱包資材を注文したらいつ届きますか?
梱包資材の到着日は、翌営業日以降とされています。
地域によっては翌々営業日になることもあるため、余裕を持って注文してください。
Q. DHLの梱包サイズに制限はありますか?
1辺3m未満かつ幅2m未満という、最大サイズの制限があります。
大きすぎる・重すぎる荷物は、事前にカスタマーサービスに相談しておくとスムーズに発送できるでしょう。
DHLの梱包資材は無料!梱包ガイドを確認しながら適切な梱包材を選ぼう
DHLには無料の梱包資材があるため、公式サイトから注文するだけで自宅まで届けてくれます。
また、公式サイトの梱包ガイドをよく確認し、梱包方法についての理解を深めておきましょう。
梱包資材をDHLから注文するのではなく、自分で用意する形でも問題ありません。
その場合は、強度や耐久性を必ず確認し、少しでも不安があるときには公式サイトでもらえる梱包材を利用するとよいでしょう。