eBayせどりをする際に、仕入れや経費の支払いにかかっていた消費税の一部を還付してもらえる仕組みがあります。
しかしeBayせどりで消費税を還付してもらうためには条件があり、申請書類を提出しなければなりません。
今回は現役輸出プレイヤーであるゆうきが、eBayの消費税還付について概要や条件、申請方法について解説します。
この記事を読むことで、下記のようなメリットがあります。
メリット一覧
- eBayの消費税還付のやり方が理解できる
- eBayで利益を拡大するためのコツがわかる
- eBayの消費税還付をする際の注意点を事前に知れる
「eBay輸出に取り組んでいるけど、消費税還付を受けたことがない」という人に向けた記事となっています。
ぜひこの記事を参考に、eBayせどりで効率的に利益を拡大しましょう!
なお、当ブログでは語りきれないeBay輸出で稼ぐコツを、ゆうきのメルマガにて詳しく解説しています。
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eBay輸出における消費税還付とは?
消費税還付とは、商品を海外に輸出する際にかかる消費税が免除される制度です。
前提として、消費税は日本国内で商品やサービスを購入した際に発生するものです。
つまり、eBayせどりの商品を日本国内で仕入れた場合は消費税を納めなければなりませんが、仕入れ先が海外の場合は対象外となります。
そのため、eBayにおいて国内から仕入れをして海外へ発送した場合は、仕入れや経費にかかった消費税は「消費税還付制度」により還付してもらえます。
必要な書類を提出すれば払っていた消費税が戻ってくるので、せどりで稼ぎたいのであれば利用すべきお得な制度です。
eBayで消費税還付の対象になる3つの条件
eBayで消費税還付の対象になるのは、次の3つの条件を満たしているときです。
- 消費税課税業者である
- 消費税の計算方法では「原則課税方式」を選択する
- 還付申請書類を提出する
ひとつずつ解説するので、自分が当てはまるかどうか確認してみましょう。
1. 消費税課税業者である
消費税還付を受けるためには、まず自身が消費税課税業者でなければなりません。
消費税課税業者とは前々年度、もしくは前年度の上半期のいずれかで課税売上高が1,000万以上ある事業者を指します。
新設事業者の場合は、資本金が1,000万円以上あることが条件となります。
せどりや副業を始めたての人にとっては、少しハードルが高く感じるでしょう。とはいえ、消費税課税事業者は「消費税課税事業者届出書」を提出すれば、課税売上高に関係なく適用されます。
開業したタイミングで「消費税課税事業者届出書」を提出すれば、初年度から消費税還付金を受け取れるので、あらかじめ済ませておきましょう。
2. 消費税の計算方法では「原則課税方式」を選択する
消費税の計算方法は「原則課税方式」と「簡易課税方式」の2種類が存在します。
原則課税方式は、消費税の課税対象となる商品・サービスの販売金額から消費税額を計算する方法です。
一方の簡易課税方式は、販売金額に応じて「みなし仕入れ率」である80%を課して、納税額を算出します。
eBay輸出で消費税還付を受けるためには、原則課税方式を選ぶようにしてください。簡易課税方式は計算する手間を最小限に済ませられますが、代わりに消費税還付を受けられません。
3. 還付申請書類を提出する
消費税を還付してもらうためには、以下の書類を提出する必要があります。
- 確定申告書
- 仕入控除税額に関する明細書
- 課税売上割当・控除対象仕入れ税額等の計算書
- 印鑑証明書(法人のみ)
- 定款(法人のみ)
これらの書類を正確に作成し、税務署に提出することで還付を受けられます。
ただし、書類の不備や記載ミスがあると還付が受けられない場合があるため、正確に入力しましょう。
eBayで消費税還付を受けるメリット
eBayで消費税還付を受けるメリットは、次の通りです。
- 仕入れだけでなく輸出の経費からも還付を受けられる
- 手続きに一切違法性がない
- 特例申請で還付の回数を増やせる
ひとつずつ見ていきましょう。
仕入れだけでなく輸出の経費からも還付を受けられる
消費税というと、商品を購入する際にかかる費用というイメージを持つ人も多く、仕入れの金額だけが還付されると思いがちです。
しかし実際には、消費税還付は輸出の際に必要な「梱包材」や「配送費」などといった経費も対象となります。
一方で、海外発送の配送費は還付対象外となる点には、注意が必要です。
消費税還付を受けられればキャッシュフローがよくなるので、ビジネス全体の利益を格段に上げられるようになるでしょう。
手続きに一切違法性がない
税務署が設けた法的な手続きに従って申請をすれば、消費税還付を受けることに違法性はありません。
しかし、不正な手続きや申告書類の虚偽記載などが発覚した場合には、厳しいペナルティが科されることがあります。
税務署からチェックが入った際も、落ち着いて対応できるように資料は常に整理し、保管しておくようにしましょう。
特例申請で還付の回数を増やせる
消費税還付は基本的に年に1回と決められていますが、特例申請をすることで還付を受ける周期を縮められます。
特例申請をする場合は専門的な知識が必要になるため、税理士などのプロに依頼するといいでしょう。
ただし税理士に依頼すると追加費用がかかるため、依頼費用もあわせて収支計算をすることが重要です。
また、特例申請をした場合は2年間は申請内容を変更できない仕組みになっている点にも、注意しましょう。
eBayで消費税還付を受けるための申請手順
eBayで消費税還付を受けるための申請手順は次の通りです。
- 消費税課税事業者選択届出書を税務署へ提出する
- eBay輸出取引の帳簿をつける
- 消費税申告書と消費税還付申告書を税務署へ提出する
申請時にミスがあると再提出などの手間がかかってしまうため、落ち着いてひとつずつステップを進めましょう。
1. 消費税課税事業者選択届出書を税務署へ提出する
eBayで消費税還付を受けるためには、まずは消費税課税事業者として税務署に選択届出書を提出する必要があります。
選択届出書は、税務署のホームページからダウンロードできます。
提出時には必要書類に記載されている通り、個人情報に関する証明書を添付して提出しましょう。
2. eBay輸出取引の帳簿をつける
消費税還付を受ける際は、eBay輸出取引の帳簿をつけることも重要な作業です。
帳簿には取引先や商品名、金額などの情報を正確に記録する必要があります。
また、帳簿には輸出に関する証明書や書類も添付して保管しておきましょう。
定期的に帳簿をつける習慣をつけておくことで、後々の手間を軽減できます。
3. 消費税申告書と消費税還付申告書を税務署へ提出する
書類が完成したら、消費税申告書と消費税還付申告書を税務署に提出します。
個人事業主の課税期間は1月1日から12月31日まで、法人の場合は指定した決算月末までの1年間です。
提出時には書類が正確に記載されているか確認し、不備がないことを確認してから提出しましょう。
提出後は還付申請の審査が行われるため、入金までに1ヶ月半程度の期間を要することがあります。
eBayの消費税還付金の計算方法
消費税還付筋は、原則課税方式を選択した場合のみが対象となります。
納付する消費税額は、売上により得た消費税額から仕入れにかかった消費税額を差し引いた金額となります。
原則課税方式の計算式
納付する消費税額=預かり消費税額-支払い消費税額
※上記の計算式でマイナスの場合は還付金が発生
つまり全取引が海外バイヤーの場合は「預かり消費税額」が0円となるので、仕入れにかかった消費税の全額が還付金として返ってくる、と言うことです。
eBayの消費税還付を税理士に依頼するタイミング
eBayの消費税還付を税理士に依頼する最適な目安は「仕入れが300万を超えたとき」にするといいでしょう。
税理士の顧問料は個人事業主の場合で、年間10~20万円程度といわれています。
年間の仕入れ額が300万円のときに還付申告をすると、還付される消費税額は300万円×10%で30万円です。
つまり、仕入れが300万円のタイミングで税理士に依頼すると、還付される消費税額を税理士顧問料を上回ります。
あくまでも目安のタイミングなので、資金を確保できそうな目処が立っていれば仕入れが300万に達していないくても、税理士を活用しても問題ありません。
eBayで消費税還付を受ける際の注意点
eBayで消費税還付を受ける際の注意点は、下記の通りです。
- 輸出管理の記録は毎日つける
- 課税事業者になると2年間は免税事業者に戻れない
- 依頼する税理士が輸出事業に詳しいか確認する
- 還付金の入金は申請後1ヶ月半後くらいになる
- 提出書類は必ず保管しておく
消費税還付の申請には法律が絡んでくるため、慎重に進める必要があります。
大きなトラブルにならないように、事前に注意点を知っておきましょう。
1. 輸出管理の記録は毎日つける
eBayで消費税還付を受けるにあたって輸出の適法性を確保するために、輸出管理の記録を毎日つける必要があります。
輸出管理で記録するべき内容は、以下の3つです。
- 毎日の出荷先
- 商品情報
- 配送方法
上記の情報を記録しておけば、税理士からチェックが入った際やトラブルが生じた場合にも、正確かつ迅速な対応が可能です。
また、輸出管理をしておけば無駄な出費や利益率の高い商品を可視化できるので、売上を拡大しやすくなります。
2. 課税事業者になると2年間は免税事業者に戻れない
消費税還付を受けるためには「消費税課税事業者」になる必要があります。
消費税課税事業者になる条件は年間売上高が1,000万円を超える、もしくは「消費税課税事業者選択届出書」を提出していることです。
ただし、一度でも課税事業者になると2年間は免税事業者に戻れません。
そのため、課税事業者になったほうがお得であることを確認した上で、消費税課税事業者になるようにしてください。
3. 依頼する税理士が輸出事業に詳しいか確認する
消費税還付の手続きには、複雑な書類や記録の提出が必要なため、場合によっては税理士に依頼することもあるでしょう。
しかし、税理士といっても得意分野はそれぞれ異なり、eBayせどりにおいては輸出に関する知見が求められます。
知識が不十分な税理士に依頼したとしても、書類の不備や漏れが発生し、最悪の場合は還付金を受け取れないこともあり得ます。
依頼前には税理士とコンタクトを取り、経歴や人柄を確認しておきましょう。
4. 還付金の入金は申請後1ヶ月半後くらいになる
消費税還付を受けるためには、申請から還付金の入金までに時間がかかります。
入金は基本的に1ヶ月半〜2ヶ月後を目安にしておくといいですが、書類の提出状況や税務署の処理状況によっては、さらに時間がかかる場合もあります。
消費税申告書や還付申告書の処理にも時間がかかるため、手続きには余裕を持って対応しておきましょう。
還付金をアテにしすぎず、生活資金や仕入れ資金は余裕をもって確保することが重要です。
5. 提出書類は必ず保管しておく
eBayで消費税還付を受けるために提出した申請書類は、提出後も必ず保管しておくようにしてください。
保管が必要な書類
- 消費税課税事業者選択届出書
- 消費税申告書
- 消費税還付申告書 など
これらの書類はすべて税務署へ提出しますが、税務署からの指導や監査があった場合には再度書類を提出しなければなりません。
書類の保管には期限があるため、必要な期間を確認して、いつでもすぐに取り出せるように管理しておきましょう。
eBayの消費税還付で利益を拡大させよう
消費税還付を利用することで、eBayせどりの仕入れや輸出の経費から消費税を還付してもらえるため、キャッシュフローが良好になります。
ただし、申請にかける手間は最小限に済ませ、必要であれば専門家に手続きを依頼することも検討しましょう。
「手続きはめんどくさい…」と思ってしまう人もいるでしょう。しかし、こういったお得な制度をひとつずつ活用することで、ビジネスを有利に進められるようになります。
消費税還付の条件を満たせるように、まずは売上を上げることを意識してみてください!