eBay輸出を行うにあたって必ずお世話になるのがEMSという、世界120以上に荷物を最速で送れる国際郵便サービスです。
EMSを使うと、商品を早く配達できるなどさまざまなメリットを享受できます。
ただしヨーロッパ(EU)に向けて発送する場合は、VATに注意しましょう。
今回は現役輸出プレイヤーであるゆうきが、eBay輸出の役立つEMSの利用方法やヨーロッパに発送する際に重要なVATの仕組みについて、徹底的に解説していきます。
この記事を読むことで、下記のメリットを得られます。
メリット一覧
- EMSの利用方法がわかる
- eBay輸出でEMSを利用するメリットがわかる
- VATの徴収ルールの変更点がわかる
普段聞き慣れない専門用語も出てきますが、初心者でも理解できるよう、わかりやすく解説していきます。
なお、当ブログでは語りきれないeBay輸出で稼ぐコツを、ゆうきのメルマガにて詳しく解説しています。
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eBayで使われる速達の発送方法はEMSとクーリエ便の2種類
eBay輸出では、商品を発送する方法として以下の2つが挙げられます。
- EMS
⇒ 公的機関によるサービス(日本では日本郵便) - クーリエ便
⇒ 民間企業によるサービス(FedEX、DHLなどが主流)
日本郵便によるEMSを利用するメリットとして、契約する必要がないことが挙げられます。
クーリエ便のほうが届く日数が早いなどのメリットはありますが、契約が必須などの手間がかかってしまうことから、中上級者向けの方法と言えます。
eBay輸出を始めたてのうちはEMSを中心に利用し、慣れてきたら少しずつクーリエ便を使っていくといいでしょう。
eBayで売れた商品を輸出できるEMSの利用方法
eBayで売れた商品の輸出にEMSを使う場合は、以下の手順で発送します。
- 売れた商品の発送にEMSを利用できるか確認する
- 配達にかかる料金や日数を確認する
- 商品を包装する
- 必要書類を用意する
- 発送する
それでは、順番に見ていきましょう。
1. 売れた商品の発送にEMSを利用できるか確認する
EMSは120以上の国や地域に対応しているので、世界中に商品を配達できます。しかしeBayで取引するバイヤーによっては、EMSに対応していない地域に配送する場合があります。
そのため発送作業に取り掛かる前に、配達先の国・地域がEMSに対応していることを確認するようにしましょう。
また、商品によっては国際郵便として送れなかったり、配達先の国で輸入を禁止していたりするケースもあるので、注意が必要です。
EMSの取扱国や地域へ国際郵便として送れない商品については、日本郵便のHPから確認してみてください。
2. 配達にかかる料金や日数を確認する
商品を発送する際は、配達にかかる料金や日数を確認するのがおすすめです。
特に配達料は利益に大きく左右されるので、必ずチェックしておきましょう。
また、配達にかかる日数をバイヤー が気にしている場合は、調べて伝えてあげてもいいでしょう。
料金や日数についても、日本郵便のHPから確認できます。
3. 商品を包装する
商品を用意できたら問題なく配送できるように、包装しましょう。
海外に輸出する場合、長距離の輸送に耐えられる丈夫な包装材を用意するのがポイントです。
郵便局には書類の送付に利用できるオリジナル包装材があるので、必要に応じて利用しましょう。
4. 必要書類を用意する
商品の包装が完了したら、以下の書類を用意します。
- EMSラベル
- インボイス
- 関税告知書
配達先によって必要な書類が異なるので、調べてから用意しましょう。
EMSラベルには差出人・受取人の氏名や住所などを、正確に記入する必要があります。
送られる商品内容などは配達先で通用する言語を使うだけでなく、できるだけ詳しく記入するのがおすすめです。
5. 発送する
商品と必要書類を用意できたら発送します。
発送する際は、郵便局に商品を持っていくのが一般的です。
無料の集荷サービスも利用できるので、郵便局に行く手間を省きたい方はぜひご活用ください。
eBay輸出でEMSを利用する3つのメリット
eBay輸出でEMSを利用するメリットは、以下の3つです。
- 配達が早い
- 配達状況を確認できる
- 損害賠償制度がある
それでは、順番に解説していきます。
1. 配達が早い
EMSの特徴は国際郵便の中でも最優先で取り扱われるため、配達が非常に早いです。
海外EMS提供エリアの場合、2~9日程度で届くと言われています。
そのためバイヤーが商品を早く手に入れたい場合に、EMSを使うメリットは非常に大きいです。
ただし配達にかかる日数は目安なので、バイヤーから商品の到着予定日を聞かれた際は「目安で●●日くらいかと思います」と、やや曖昧気味に回答するのがおすすめです。
2. 配達状況を確認できる
EMSを活用すると、配達状況を確認できます。
輸出の場合、当然ながら長距離の配送となるため、国内で郵送するよりも商品が紛失するリスクが高まってしまいます。
もし、ある程度期間が空いたのにバイヤーから「商品が届かない」「商品がいつ届く?」など聞かれた場合は、配達状況を確認しましょう。
配達状況は、EMSラベルに記載されている13桁のお問い合わせ番号がわかれば検索できます。
3. 損害賠償制度がある
EMSには損害賠償制度があるため、万が一に商品が破損してしまった場合、補償してもらえる可能性があります。
2万円までであれば、無料で損害賠償してもらえるのが嬉しいポイントです。
別途料金を支払えば最高200万円をの実損額が賠償されるので、EMSで高額商品を販売する際は検討してみてください。
商品が破損してしまった際の損害賠償については、以下の記事で詳しく解説しているため、ぜひご参考ください。
ヨーロッパに輸出する際に発生するVATに注意しよう
eBayで売れた商品をヨーロッパに輸出する際は、VATに注意するようにしましょう。
VATとはValue Added Taxの略称で、海外の人が商品やサービスを購入する際に発生する消費税のことです。
別名「付加価値税」や「間接税」と呼ばれることもありますが、意味合いとしては同じだと思っていただいて問題ありません。
ヨーロッパ(EU)で発生するVATは日本のように税率が一律ではなく、国・商品・サービス内容によって異なります。
また、誤解される方も多いのですがVATと関税は別物です!
関税は通関の際に発生する税金ですので、一般的にVATは関税とは別に発生します。
詳しくは配送会社の請求担当に確認することで、発送商品の税金を詳しく知ることが可能です。
要するに、VATとはEUバイヤーがeBayで商品を購入す際に発生する税金と思っていれば問題ありません。
eBay輸出でかかるVATの徴収ルール変更点
2021年7月1日以降、eBayで販売する商品についてVATの徴収ルールが変更となりました。
変更点は、大きく分けて下記の2点です。
- €22以下の輸入免税廃止
- IOSS(輸入ワンストップショップ)の導入
順番に見ていきましょう。
1. €22以下の輸入免税廃止
VATの徴収ルールが変更になった経緯として、ヨーロッパに販売した、€22以下の商品に対する輸入免税が廃止されたことが挙げられます。
これまでは€22以下の商品を販売した場合については、輸入側でのVATはすべて免税となり、課税義務がありませんでした。
しかし輸入免税が廃止されたため、販売価格に関わらずVATが発生するようになっただけでなく、バイヤー側の負担が増えることとなってしまいました。
2. IOSS(輸入ワンストップショップ)の導入
IOSS(輸入ワンストップショップ)という、新しいVATの徴収方法が導入されたことも大きく影響しています。
€150を基準に、バイヤーのVATの支払い方法が異なります。
ここからは、販売額が€150を超える場合とそうでない場合に分けて、それぞれ解説していきます。
€150以上の商品を販売する場合
販売額が€150以上の場合については、これまで通り現地の配送会社がバイヤーからVATを徴収します。
つまり、セラー側で何かアクションを起こす必要はありません。
€150以下の商品を販売する場合
販売額が€150以下の場合はIOSSにより、eBayが購入時にバイヤーからVATを徴収します。
IOSSとは「Import Onestop Shop」の略称とした徴収制度のことで、150ユーロ以下であればIOSS番号だけで申告ができる制度のことです。
そのため、セラーはeBayから発行されたIOSS番号を発送ラベルに記載しなければいけません。
バイヤーは購入時にVATも上乗せして支払いすることになるため、これまでよりも簡単に徴収手続きを済ませられます。
eBayから発行されるIOSS番号の確認手順
発送ラベルに記載されるIOSS番号は、eBayのオーダーから確認できます。
EU向けに販売した€150以下の商品で、すでにVAT徴収済みのオーダーにはIOSS番号が発行されます。
ここでは、eBayあるいは発送ラベルからIOSS番号を確認する方法を紹介するので、参考にしてみてください。
1. eBayでIOSS番号を確認する手順
eBayでIOSS番号を確認するなら、まずオーダー一覧を開きましょう。
セラーハブからOrdersに進みます。
次に、Order detailsから確認したい取引のOrder numberをクリックします。
Shipping detailsという項目があるので、その中のTax DetailsからVAT Paidの部分を確認しましょう。
VATが徴収されている場合は、VAT Paidの横にIOSS番号が記載されています。
2. 発送ラベルからIOSS番号を確認する手順【作成サイト別】
発送ラベルからIOSS番号を確認する手順を、チェックしましょう。
発送ラベルは、送り状を作るサイトによってIOSS番号の発行方法が異なります。
ここでは、以下の5つのサイト別の確認方法を紹介します。
- Hirogete
- Ship&co
- FedEx公式サイト
- DHL公式サイト
- 国際マイページサービス公式サイト(日本郵便)
それでは、それぞれのパターンを紹介していきますね!
Hirogete
送り状作成ツールのHirogeteでは、注文画面の一覧にIOSSの入力列が追加されています。
こちらにVAT徴収済みの取引は自動的に番号が反映されてラベル出力されますので、基本的にはセラー側で番号を記載する必要はありません。
小型包装物・eパケット・手紙については発送ラベルにIOSS番号が記載されないので、手書きで住所欄に追記する必要があります。
Ship&co
送り状作成ツールのShip$coでも、取引詳細に自動的にIOSS番号が記載されてラベルが出力されます。
Ship&coの場合も、自動的にIOSS番号が記載されるので、セラーが入力する必要はありません。
FedEx公式サイト
FedExの公式サイトを利用する場合は、トップページから「今すぐ出荷」に進んでいきましょう。
各入力項目の中にある納税者番号という欄の「荷送人の納税者ID番号(任意)」に、IOSS番号の記載をしてください。
IOSS番号を記載することで、インボイスに番号が反映されます。
DHL公式サイト
DHLの公式サイトの場合は、トップページから「今すぐ出荷」を選択しましょう。
「VAT/Tax ID」という欄に、IOSS番号を記載しましょう。
「VAT/Tax ID」にIOSS番号を記載したら、インボイスに番号が反映されます。
国際マイページサービス公式サイト(日本郵便)
日本郵便の場合は、国際マイページサービスのトップページから「送り状を作成する」に進みます。
次にEMSの場合には「税関告知書/インボイス備考欄」にIOSS番号を記載することで、インボイスに番号が反映されます。
インボイスが発行されない小型包装物などは、住所欄の最後にIOSS番号を記載しましょう。
以上が発送ラベルからIOSS番号を確認する方法になります!
eBay輸出するならEMSは選択肢の1つに
eBay輸出で海外へ発送するなら、EMSを利用するのがおすすめです。
EMSなら120ヵ国以上に最速で商品を配達できます。
なお、ヨーロッパに発送する場合はVATに注意しましょう。
EUのVATの徴収ルールが2021年7月1日に変更になったので、以下の2点を確認しておいてください。
- €22以下の輸入免税廃止
- IOSS(輸入ワンストップショップ)の導入
€150以下の商品を発送する際は、発送ラベルにIOSS番号記載する義務があるので、ラベル出力後は確認を怠らないようにしましょう。
HirogeteやShip&coといった送り状作成ツールを使うと、効率的に作業ができるのでおすすめです。
なお、本記事ではEMSについて紹介させていただきましたが、eBay輸出を本格的に取り組むのであればクーリエ便を積極的に利用したほうがいいです。
クーリエ契約は必須となりますが、配達日数が短かったり、重量商品の料金が安かったりといったメリットがあります。
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