2022年7月1日からドイツ宛の発送について梱包法の対応が必要になりました。
簡単に言うと、ドイツ宛の発送では梱包法に従っていないセラーはドイツ宛の販売ができない、または罰則を受ける可能性があると言うものです。
ただし、梱包法についてのルールは複雑なため、ネット上でも意見が分かれているのが事実…
そこで今回は、現役輸出プレイヤーであるゆうきが、ドイツ梱包法について詳しく解説していきます。
この記事を読むことで得られるメリットは、以下の3つです。
メリット一覧
- ドイツ梱包法を理解できる
- 梱包法の対応方法がわかる
- ドイツに今後も販売ができる
初心者にも分かりやすいように、登録の手順を画像付きで順番に解説していきます。
まだ対応ができていない方は、是非本記事を参考にしながら一緒に登録を進めていきましょう!
ドイツ販売には梱包法の対応が必須!?
2022年7月1日から開始されるドイツ梱包法の改正に伴い、eBayで販売をしている我々セラーも対応が必要と話題になっています。
そもそもこの梱包法とは、 オンライン上の販売業者としてドイツに商品を発送する場合、使用した包装材(総重量)および使用した素材のタイプについてLUCIDへの事前登録をしておくことが求められるものです。
一部発送会社によっては梱包法への対応は不要との意見もありますが、販売事業者としてのセラーはその責任があると考えていいでしょう。
まだまだ不透明な部分も多いですが、全世界のオンライン販売業者についてはLUCID包装登録が必要となりますので、事前に対応をしておくことが個人的には安心だと思っています。
ただし、具体的には全てのセラーが対象というわけではないので、対応が必要な条件についてみていきましょう。
ドイツ梱包法に対応するべきセラー条件
eBayで販売をしている事業者の内、ドイツ梱包法の対象となるのはアカウントタイプが「ビジネスタイプ」のセラーのみです。
eBayアカウントが個人タイプ(Individual)の方については特に対応はいらないので、引き続きドイツ宛の販売を継続することが可能です。
アカウントタイプの確認は「Personal information」から確認することができます。
アカウントタイプ
- Individual ・・・個人タイプ。梱包法への対応不要
- Business・・・ビジネスタイプ。梱包法への対応必須
自分のアカウントタイプを確認の上、対応が必要かどうかを判断してください。
それでは次にドイツ梱包法の具体的な対応方法をみていきましょう。
【2022年7月1日開始】ドイツ梱包法への対応方法
これから解説する手順を行えば2022年7月1日以降も問題なくドイツへの販売が可能ですので、梱包法への対応が分からない方は一緒に進めてください。
前提として、ドイツ梱包法に対応する手順は以下の4ステップとなっています。
ドイツ梱包法の対応手順
-
LUCIDアカウントの登録(無料)
-
ドイツリサイクル業者契約(有料)
-
LUCIDとリサイクルライセンスの連携(無料)
- eBayアカウントにLUCID ID登録(無料)
ドイツのリサイクル業者との契約では料金が発生してしまいますが、最低年間6ユーロからと大きな金額ではありませんのでご安心ください。
それでは各パートに分けて手順を解説していきます!
ステップ❶. LUCIDアカウントの登録(無料)
梱包法に対応するためにはLUCID IDを発行する必要があるため、LUCIDアカウントへの登録が必要になります。
まずはLUCIDの公式サイトにアクセスをして、アカウント登録をサクッと済ませていきましょう!
ここから登録手順を解説していきます。
最初にLUCIDのサイトを開いていただき、「Launch registration process」をクリックして進みます。
登録情報を入力する必要があるので、該当する項目を入力していきます。
- 名前・会社名 — 個人なら屋号やストア名、法人は会社名
- 言語 — English
- 敬称 — 男性はMr.で女性はMs.
- 学位 — 入力不要
- 名
- 性
- アドレス — ログインIDとして使用するメールアドレス
- アドレス確認 — 上記のアドレスを再入力
- パスワード — ログインパスワード
→パスワードは大文字・小文字・記号がすべて⼊っている必要があります - パスワード確認 — 上記パスワードを再入力
- CAPTCHA — ロボットではありませんにチェック
以上ができましたら、画面右下の「Create login」に進んでください。
こちらの「Thank you very much!」のメッセージが表示されたら正常に登録ができた証拠です。
先ほど登録したメールアドレス宛に認証メールが送られているので、リンクをクリックして認証を済ませてください。
こちらの認証は24時間以内に行わないと無効になってしまうので、必ず忘れないようにしましょう!
リンク先のページから「Login」に進みます。
Master dateの画面が開くので、詳細な登録情報を上から順番に入力していきましょう。
- 国 — Japan
- 郵便番号
- 市・町
- 番地
- 住居番号 — 入力不要
- その他の住所 — 番地に書ききれない住所を入力
- 国際電話番号 — 日本は「+81」
- 市外局番 — 0を抜いた番号。携帯番号は「90」「80」
- 市外局番以降の番号
- 納税者番号タイプ — Otherを選択
- 納税者番号 — 法人は法人番号。個人は確定申告書の整理番号
- 国民の識別番号タイプ — Otherを選択
- 国民の識別番号 — 登録者のマイナンバー
- 発行機関 — 国税庁を意味する「National Tax Agency of Japan」と入力
- 国⺠識別番号の名称 — 「My Number」と入力
- 敬称(入力任意)
- 学位(入力任意)
- 下の名前(入力任意)
- 名字(入力任意)
- メールアドレス(入力任意) — 登録時と違うメールアドレス
- メールアドレス再確認(入力任意)
Recovery contact(s)は代理連絡先として登録する部分ですので、特に必要なければ入力はしなくても大丈夫です。
個人で確定申告書の整理番号がない方は、運転免許証などのナンバーで仮登録もしてもLUCID IDの発行は可能です。
情報は後から修正もできるので、整理番号が発行された段階で情報を更新するのが良いかもしれません。
- 会社の活動内容 — 入力不要
- 販売先 — 通信販売業者を示す上から2番目の「Mail order business」を選択
以上の入力が完了したら「Next」で進んでいきましょう。
使用するパッケージについての画面が出てきますので、ドイツへの販売で⼀般消費者向けに使⽤されるパッケージで該当する項目を選択します。
eBayでの販売をしている場合は、通販事業者に当たる画像の項目にチェックを入れてください。
チェックを入れたら、画面下部にある「Next」に進みます。
続いてこちらの画面から、配送ラベルを表示する荷主名を「Add brand Name」で追加してください。
入力は複数追加できるので、個人名・屋号・会社名など、梱包発送を⾏っている名義人の名称を複数追加しておけばいいです。
入力が完了したら「Next」で次に進みます。
続いて登録情報の確認画面が出るので、入力した情報が正しいのかを確認しましょう。
情報に問題がなければStatementsのチェックボックスに全てチェックを入れて「Submit」に進みます。
もしも情報に誤りがある場合には、「Back」を選択することで情報の修正が可能です。
こちらの画面でLUCIDアカウントの登録が出来たことになります!
ログイン後にダッシュボードを確認すると、「DE〜」から始まる自分のLUCIDナンバーが発行されたことが分かります。
こちらのナンバーは後ほど必要になるので、必ず大切に保管をしてください!
LUCID登録をしただけでは梱包法の条件を満たさないので、次の工程でドイツリサイクル業者契約に進んでいきます。
ステップ❷. ドイツリサイクル業者契約
梱包法に対応するためにはドイツのリサイクル業者と契約を結び、LUCIDにライセンス情報を連携させる必要があります。
eBayからの案内ではドイツのリサイクル会社としてLizenzeroを推奨していますが、特に利用する会社に決まりはないので、条件の良い会社を利用すれば問題ないです。
ドイツのリサイクル業者は探せば複数出てきますが、最初は「activate by Reclay」という企業を利用するのがオススメです。
activate by Reclayは個人規模の事業者や EC事業者向けにサービスを提供しており、最低年間6ユーロからの割安料金で契約できるため初心者でも利用しやすいのが特徴です。
ここからはリサイクル会社「activate by Reclay」を使用した場合の登録方法を解説していきます!
まずはサイトを開いていただき、「License Calculator」というオレンジのボタンをクリックして進みます。
年度単位のライセンス契約画面が出ますので、利用を開始する年度を選択します。
続いて1年間を通してドイツ宛の発送で利用するであろうパッケージの想定使用量を資材ごと入力していきます。
ドイツ宛の1年間分の使用量をkg単位で事前計算しておきます。
例えば一つ200gの段ボールを月に10個発送する場合、200g × 10個 × 12ヶ月=24000gとなるので、資材「Paper」が24kgの使用量になります。
同じような考え方で、梱包テープや緩衝材などの各種資材をザックリと計算していくのが良いですね。
クーポンコードをお持ちの方は年間利用料が割引されます。クーポンコードはこちらのページに掲載(販売額の下のコード)があるので積極的に使っていきましょう!
最後に見積もりの利用料金が表示されるので、問題がなければそのまま「Next」で決済画面に進みます。
チェックアウトに必要な該当する項目を入力していきましょう。
- 会社名 — 法人名。個人は屋号・個人名・ストア名のいずれか
- 敬称
- 名
- 性
- 国
- 市区町村
- 郵便番号
- 番地
- 業種 — 入力不要
- メールアドレス
- 上記のアドレスを再入力
- 電話番号 — 「+81」はつけてもつけなくてもいい
- 納税者番号 — 確定申告の整理番号。法人は法人番号でも可能
- LUCID 登録番号 — 登録済みの「DE〜」からはじまるLUCID IDを入力
- パスワード
- 上記のパスワード再入力
- 同意項目 — 3つ全てにチェック
全て入力が終わったら「Next」で次に進みます。
好きな決済手段を選んで決済が完了すれば、リサイクル業者のライセンス登録は完了です!
クレジットカードを選択するとエラーになる場合にはブラウザのキャッシュとクッキーを一度クリアしてから行うか、別のブラウザで決済を試してみてください。
それでも解決しない場合にはPayPal決済にするか、他のリサイクル会社を使用することも検討するのが良いです。
ステップ❸. LUCIDとリサイクルライセンスの連携
これまでの手順でLUCIDナンバー取得とリサイクル業者のライセンス登録まで終わったかと思います。
次に必要なのはLUCIDアカウントにライセンスを連携させることです。
早速ですが、LUCIDアカウントにログインをしてアクセスしてください。
ログインができたらData reportの項目から「Edit」をクリックして先に進みます。
Producer data reportにある「Initial planned volume report」の「Start」をクリックします。
「Volumes of material〜」の入力欄に、1年間でドイツへ発送するであろう資材の予定量を入力します。
- 報告期間 — 開始から1年後の年を選択
- リサイクル会社の企業名 — activateでライセンス登録している場合は「Reclay」を選択
- 資材ボリューム — ライセンス登録した際の使用量と同じ値を資材ごと入力
(スクロールバーを横にスライドすると資材の種類が選べます)
入力が終わったら右下の「Review」で内容を確認し、問題なければ「Save」で保存をします。
続いてProducer data reportの画面に戻ったら「Intra-year volume report」の「Start」に進んでください。
「Intra-year volume report」で⼊⼒する資材ボリュームは先ほどの「Initial planned volume report」のボリュームと全く同じ内容です。
- 報告期間 — 上 : 開始する⽉ から 下 : 同年12⽉
- リサイクル会社の企業名 — activateでライセンス登録している場合は「Reclay」です
- 資材ボリューム — ライセンス登録した際の使用量と同じ値を資材ごと入力
(スクロールバーを横にスライドすると資材の種類が選べます)
以上の作業ができればLUCIDとリサイクルライセンスの連携は完了です。
ステップ❹. eBayアカウントのLUCID ID登録
それでは最後のステップとして、eBayアカウントにLUCID IDを登録していきます。
注意点として、eBayアカウントタイプがビジネスアカウントのセラーのみが対象となりますので、個人タイプの方は必要ありません!
My eBayのBusiness infoに進んでいただき、Lucid IDの欄に「DE〜」から始まる自分のLUCIDナンバーを入力してください。
これでドイツ梱包法における全ての作業が終わりました!
ドイツへの販売数が少ない方は、一時発送除外国に設定しても良い
ドイツ梱包法についてはまだまだ不透明な部分も多いですが、今回紹介した手順で対応をしておけば安心して販売を行うことができます。
eBayアカウントがビジネスタイプの方は本記事を参考にして、焦らずに対応を進めてもらえたらと思います。
ただし、ドイツへの販売がそもそも少ない方は無理に対応をしなくても良いです。
一時的にドイツを発送除外国にして様子を見ることもできますので、自分の状況に合わせて臨機応変に対応をしていきましょう!
発送除外国の設定方法はこちらの記事で解説していますので、合わせてご覧になっていただければと思います。