
せどりでキャッシュフローが悪い状態だと、赤字が出ていないのに倒産する「黒字倒産」や「資金ショート」を起こしてしまう恐れがあります。
キャッシュフローとは事業で使うお金の流れのことで、せどりを継続するためには正しく把握しておくことが大切です。
しかし、キャッシュフローの重要性を知らない人は多く、適当に記帳していたり、そもそも資金管理を行っていなかったりする人もいるくらいです。
今回は現役輸出プレイヤーであるゆうきが、キャッシュフローの重要性や悪化する原因について、詳しく解説します。
この記事を読むメリットは以下の3つです。
メリット一覧
- キャッシュフローの重要性がわかる
- 悪化する原因や改善のポイントがわかる
- キャッシュフローを安定させるための方法がわかる
せどりで効率よく規模を拡大したり、仕入れ額や資金額を増やしたりするためには、適切な資金管理とキャッシュフローの把握が欠かせません。
今すぐできる改善策やポイントを解説しているので、資金繰りに失敗したくない人はぜひ最後までお読みください。
せどりでキャッシュフローが重要な理由
せどりでキャッシュフローが重要視されるのは、悪化させてしまうと資金繰りができなくなり、資金ショートにつながるためです。
キャッシュフローとは、お金の動きや流れのこと。
せどりではクレジットカードで仕入れを行ったり、売上金が入金されるタイミングが遅かったりするため、お金の動きをきちんと管理することが大切です。
キャッシュフローが悪い人の特徴は、以下の3つです。
- 利益計算はどんぶり勘定で行っている
- 帳簿はつけていない
- 支払いスケジュールを把握していない
上記に当てはまる人は利益が出ていたとしても、事業を拡大するのは難しくなります。
せどりで稼いでいくなら、資金管理やキャッシュフローの把握は必須と言えるでしょう。
せどりでキャッシュフローが悪化する4つの原因
せどりでキャッシュフローが悪化する原因は、以下の4つです。
- 仕入れが多すぎる
- 回転率の悪い商品を扱っている
- 納品に時間がかかっている
- 資金管理ができていない
詳しく確認していきましょう。
1. 仕入れが多すぎる
手持ち資金に対して仕入れ額が多すぎる人は、キャッシュフローが悪くなる傾向にあります。
分不相応な大量仕入れは不良在庫の元となり、売上が立たないためにキャッシュフローの悪化につながります。
手持ち資金や事業規模に合わせた仕入れを行い、資金繰りには余裕を持たせておくことが大切です。
とくに経験が浅いうちは、仕入れ判断のミスやリサーチ不足も起こりやすいため、大量仕入れは危険です。
たとえ資金額に余裕があっても少量から仕入れて様子を見る、一度に仕入れる額を決めておくなど、身の丈にあった仕入れを行いましょう。
2. 回転率の悪い商品を扱っている
回転率の悪い商品を扱うほど不良在庫が増えてしまうと、キャッシュフローが徐々に悪化します。
せどりは商品を仕入れた時点でキャッシュフローがマイナスになり、商品が売れない限りプラスに転じることはありません。
資金に余裕がない場合は、回転率が高いものを中心に扱うのが鉄則です。



シーズンオフの商品を安く仕入れて寝かせておき、次のシーズンで売るという「寝かせ」手法も、キャッシュフローが安定するまでは避けましょう。
3. 納品に時間がかかっている
AmazonのFBAなど、納品が必要なプラットフォームや販売代行を利用する場合は、納品までの時間をできるだけ短縮することが大切です。
時間がかかるほど販売も遅くなり、現金化までに時間がかかるため、キャッシュフローが悪化しやすくなるからです。
仕入れから販売までの日数が開いてしまうと、価格変動などの影響も受けやすくなるため、知らない間に競合よりも高値で販売していることも。
仕入れから納品までにどうしても日数がかかってしまう場合は、代行業者を利用するなど、効率化を進めてできる限り短縮するように工夫しましょう。
4. 資金管理ができていない
資金管理や帳簿付けを行っておらず、見込み利益しか把握していない場合も、キャッシュフローを悪化させやすくなります。
資金管理を行わないと利益や経費を正しく把握できないため、隠れ赤字が発生しやすく、キャッシュフローの悪化に気づくのに遅れてしまうからです。
お金の動きが把握できていなければ、必要な支払い金額が用意できないなどのトラブルも起こりがちです。
お金の流れや手持ち資金を正しく把握できるように、仕入れや売上、経費などを帳簿につけることから始めましょう。
せどりでキャッシュフローを改善させる7つのポイント
せどりでキャッシュフローを改善させるポイントは、以下の7つです。
- クレジットカードを活用する
- 回転率の高い商品を仕入れる
- 仕入れ額の上限を決めておく
- 不良在庫の損切を行う
- 資金調達を行う
- 帳簿を作成する
- いざというときのための資金を持っておく
ひとつずつ確認していきましょう。
1. クレジットカードを活用する
仕入れ代金をクレジットカードで支払えば、支払い日までの猶予を設けられます。



手持ちの現金を減らすことなく仕入れられる点や、万が一現金化が遅れても対応しやすいため、資金が少ない初心者にもおすすめです。
カードによってはポイントが還元されるうえに支払いにも充てられるため、仕入れ額も抑えられます。
ただし、クレジットカードを使って仕入れた場合は請求の締め日や支払い日をしっかり把握し、確実に引き落としができるようにしてください。
2. 回転率の高い商品を仕入れる
キャッシュフローの悪化を避けるために、回転率の高い商品を中心に仕入れ、不良在庫が発生しないようにしましょう。
せどりは商品が売れなければお金が入らないため、不良在庫が多いほどキャッシュフローが悪くなります。
資金が少ないうちは回転率の高いものを中心に扱って資金を回し、仕入れに使えるお金を増やすことを優先します。



とくに「寝かせ」などの手法は、資金に十分な余裕ができてから取り組みましょう。
3. 仕入れ額の上限を決めておく
仕入れを行う際は、あらかじめ仕入れ額の上限を決めておくことも、キャッシュフローを上手に回す大切なポイントです。
仕入れ額の理想の上限は、不測の事態が起きても問題なく支払える金額にまで抑えておくことです。
仕入れ額が大きいと商品が売れ残ってしまったり、現金化が遅れたりしたときに、支払えなくなるリスクが高いからです。
キャッシュフローが悪化したときにやりがちなミスが、早く稼ごうとして大量仕入れをしてしまうことですが、余計に悪化してしまいます。
悪化したときは立て直すために、仕入れ額はできるだけ抑え、回転率の高い商品を中心に取り扱って手早く現金化することを目指しましょう。
4. 不良在庫の損切を行う
不良在庫は安売りしてでも早めに処分し、できるだけ早めに現金化しましょう。
不良在庫が手元にある限り、キャッシュフローがよくなることはほぼありません。
在庫として持っておくと売上として回収できず損失のままですが、多少の損が出て処分価格になったとしても現金化できて、支払いに充てられます。



売上の入金が支払い日より後になるとキャッシュフローを圧迫するため、支払い日を基準に在庫をコントロールしていくといいでしょう。
5. 資金調達を行う
せどり資金に余裕がない場合は、資金調達を行うのもひとつの方法です。
資金調達で手持ち資金が増えれば、扱える商品の幅が広がり稼ぎやすくなるだけでなく、キャッシュフローもよくなります。
資金調達の方法は複数あるため、事業規模や必要な額など自分の状況に適したものを選び、調達するのがおすすめです。
具体的な資金調達の方法や注意点については「せどり資金の調達方法5選!必要な金額の目安や考え方・資金繰りの注意点まで徹底解説」の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。


6. 帳簿を作成する
せどりでのキャッシュフローを正しく把握するためにも、帳簿を作成しておきましょう。
仕入れ額はもちろん使った経費も正しく記載し、手持ち資金やクレジットカードの支払日、入金予定日なども把握していきます。
帳簿を付けることでお金の出入りが明白になり、キャッシュフローを意識して仕入れや販売ができるようになるでしょう。
また、仕入れ額や売上金の増減などの変化にも気づきやすくなります。
帳簿のつけ方がわからないからといって、どんぶり勘定で資金管理を行ってしまうと、資金繰りが悪化しかねません。
Excelに収支を書き出すだけでもお金の流れが見えやすくなるので、記帳しておきましょう。



7. いざというときのための資金を持っておく
資金管理を徹底的に行っているからといって、不測の事態が起こらないわけではありません。
予想外の出来事が起きても余裕を持って対応できるように、いざというときのための資金は確保しておくことが大切です。
以下の期日と金額を把握しておけば、確保すべき資金額が見えてきます。
- 支払い日
- 支払い額
- 入金日
- 入金予定額
支払わなければならない金額は仕入れ代金だけではなく、ツール代や手数料、送料など多岐にわたります。
資金管理を徹底して行い、収益と支出の両方を把握できる状態にしておきましょう。
せどりのキャッシュフローを安定させる工夫4選
せどりのキャッシュフローを安定させたいときは、以下4つのポイントに着目してみましょう。
- 事業用の口座を持つ
- 仕入れ計画を立てる
- 仕組み化や効率化を進める
- 入金サイクルを意識して販売する
順番に説明していきます。
1. 事業用の口座を持つ
お金の流れを把握するために、プライベートとは完全に分けられる事業用の口座を開設しましょう。
とくに支出はプライベートと混同すると、記帳するときの手間が増えてしまいます。
また、事業用の口座には会計ソフトと連携できる機能があるので、活用すれば記帳時だけでなく確定申告も楽に進められます。
支出管理が苦手な人ほど、事業用の口座を持って手間なく資金管理ができるようにしておきましょう。
2. 仕入れ計画を立てる
思いつきや無計画に仕入れるのではなく、支払い日を意識した仕入れ計画を立てましょう。
支払い日を考えて計画を立てれば、入金・出金サイクルを意識して販売できるようになります。
また、資金繰りが難しくなるような大量仕入れがなくなり、入金サイクルを意識して納品や出品ができるでしょう。
計画は定期的に見直し、調整すれば、ライフスタイルに合わせた自分だけの仕入れ計画ができます。
キャッシュフローに応じて仕入れ額の上限も決めておき、予算オーバーすることがないように仕入れましょう。
3. 仕組み化や効率化を進める
仕入れから納品までの時間を短縮するなど、仕組み化や効率化も進めていきましょう。
一つひとつの作業に時間がかかる分だけ現金化が遅れ、キャッシュフローの悪化につながります。
ツール導入や作業の外注化なども積極的に行っていくと、効率よく稼げるだけでなく、事業規模を拡大したいときにもスムーズに進められます。
資金に余裕がない段階でも無料ツールを活用するなど、できることから取り組みましょう。



4. 入金サイクルを意識して販売する
入金サイクルは販売先ごとに異なるため、正しく把握したうえで販売しましょう。
例えば、プラットフォームによって売れやすい商品ジャンルは異なります。そのため、商品に応じてプラットフォームを使い分けると、売れる可能性を高められます。



また、いつまでに売らなければならないか売上の締め日も把握しておき、スケジュールに沿って販売しましょう。
資金が少ないうちは早めに現金化したり、いつでも売上が引き出せるプラットフォームを利用したりすると、資金繰りの悪化を未然に防げます。
せどりではキャッシュフローを意識した行動が大切!余裕を持って資金を回そう
せどりでは資金繰りの悪化を防ぐために、キャッシュフローを意識した行動が大切です。
キャッシュフローが悪化したときは早めに改善を行い、資金ショートを起こさないように注意してください。
実際にせどりでは、後日入金される売上金があるにもかかわらず、目先の資金繰りができずに撤退せざるを得ない事例は少なくありません。
資金管理を丁寧に行うポイントは、以下の3つです。
- 仕入れる量や回転率に気を付ける
- 納品は素早く行う
- 帳簿を作成しお金の管理を行う
入金が遅れるなど、想定外の事態が起こっても対処できるように、現金を手厚めに持っておくことが有効な対策となります。
ぜひ健全なキャッシュフローを回しながら、せどりに取り組んでみてくださいね!