
eBayでも詐欺被害が増えてきているのをご存じですか?
特に2020年頃から急増しており、バイヤーだけでなくセラーも被害に遭っていることが報告されています。
今取引中の相手が詐欺の常習犯で「もしかしたらお金も品物も取られるかもしれない」と思うと、怖くなってしまいますよね…。
しかし、詐欺は手口を知っておけば事前に対応できることがほとんどで、被害も最小に抑えられます。
そこで今回は現役輸出プレイヤーであるゆうきが、eBayの詐欺手口について詳しく解説していきます。
この記事を読むことで得られるメリットは、以下の4つです。
メリット一覧
- eBayの詐欺手口がわかる
- 危険なバイヤーの見分け方がわかる
- 詐欺の防ぎ方がわかる
- 詐欺に遭ってしまったときの対処法がわかる
詐欺の手口は年々巧妙になってきています。
被害に遭うのを防ぐためにも、しっかり知識を身に着けておきましょう!
eBay詐欺の手口4選
eBayでよくある詐欺の手口は以下の3つです。
- 返品詐欺(すり替え詐欺)
- 未着詐欺
- 値引き・返金詐欺
- フィッシング詐欺
詳しく説明していきます。
1. 返品詐欺(すり替え詐欺)
バイヤーに送った商品が返品される際に、違うモノにすり替えられる詐欺があります。
すり替え詐欺の面倒な点は、商品が手元に返ってくるまで詐欺かどうかがわからないことです。
また、すり替えだけでなく、故意に破損させた商品を「壊れていた」と言って返品されるケースもあります。こういったケースがあると、セラー側は泣き寝入りするしかないことも少なくありません。
返品詐欺は国内の取引でもよくある詐欺ですが、eBayでは特に高額商品が狙われ、セラーも多くの被害を受けています。
実際にあったケースは、以下の通りです。
被害例①
木片や鉄アレイにすり替えられて、返品されてきた
被害例②
返品された箱の中には、セラーで取り扱いのないジャンルの商品が入っていた
すり替え被害に遭ってしまうと、商品を取り返すことは困難です。
2. 未着詐欺
未着詐欺とは、商品を正常に発送・配達しているにもかかわらず、バイヤーが「商品が届いていない」「数量が違う」と虚偽の申告をしてくる詐欺の手口です。
配送が完了していたとしても、セラーが「確実に商品が届いている」と証明できない場合は、eBayから返金を求められるリスクがあるため注意が必要です。
特に、追跡番号のない配送方法だと、未着詐欺の標的になりやすくなってしまいます。バイヤーが「受け取っていない」と主張し続ける限り、それが事実なのか虚偽なのかを客観的に判断するのは困難です。
こうした問題が発生した際には、配送業者に直接連絡を取る方法も有効です。業者に配達状況の詳細を確認することで、セラー側に問題がなかったことを証明できる場合もあります。
さらに、数量違いなどの申告に備えて、梱包時に内容物や個数を記録した写真を残しておくことも、未着詐欺を防ぐのに有効です。
3. 値引き・ 返金詐欺
「商品に問題がある」と嘘や難癖をつけて、値引きや返金を迫って商品を安く手に入れようとする詐欺もあります。
また中には、「返金しなければネガティブフィードバックをつける」と脅してくる悪質なバイヤーも存在します。フィードバックスコアを気にするセラーにとってはプレッシャーになりますが、不当な要求には慎重な対応が必要です。
値引きや返金を迫られた場合は安易に了承せず、まずは商品状況をしっかり確認するようにしましょう。
4. フィッシング詐欺
eBayやPayPalなどを装ったメールを送りつけ、偽装サイトに誘導する「フィッシング詐欺」もあります。
セラーが被害に遭うことも増えており、以下のような深刻な事例が見られています。
- 代金が支払われたことが偽装される
- eBayを装って偽のeBayサイトにログインさせられ、個人情報を抜かれる
偽サイトは、本物のサイトを隣に並べてみてもわからないぐらいに作られているため、被害に遭ったことに気づきにくいのが特徴です。
フィッシング詐欺は事例も多く、eBayだけで横行しているわけではないので、似た事例が必ず他にも存在します。
セキュリティシステムを強化し、メールにあるリンクをクリックしないことを徹底するだけでも防げるため、しっかり自己防衛していくことが重要です。
eBay詐欺でよくある危険なバイヤーの見分け方
eBayで行われている詐欺には特徴があり、よく観察すれば危ないバイヤーを見抜ける可能性があります。
危険なバイヤーの見分けるポイントは、次の8つです。
- 新規アカウントでの取引
- eBay以外で取引をしたがる
- 取引を急がせる
- 別の住所に発送させようとする
- メールアドレスがおかしい
- ポジティブ評価が極端に少ない
- アンダーバリューを求められる
- 要求や話が二転三転する
詳しく見ていきましょう。
1. 新規アカウントでの取引
詐欺に使われるアカウントは評価がない、もしくは少ない状態など、作成されたばかりであることが多いです。
新規アカウントでの取引がすべて詐欺というわけではありませんが、アカウントを取得して間もないバイヤーとの取引は、慎重に行いましょう。
「詐欺に遭うかもしれない」と思って慎重に取引を進めるだけで、詐欺被害を最小限に抑えられるはずです。
評価が少ないアカウントとのやり取りについては、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。


2. eBay以外で取引をしたがる
取引の途中でeBay以外での交渉を求められても、安易に対応しないようにしましょう。
eBay以外での取引は直接取引に繋がる可能性がある一方で、規約で禁止されている点を理解する必要があります。
また、eBayで詐欺を働こうと考えている人には、eBay以外で取引を持ちかけてくる傾向があります。
そのため、バイヤー側から以下のような要求を受けた場合は、詐欺の可能性を考慮してください。
- LINEやSkypeでやり取りしたい
- 代金を直接銀行口座に振り込みたい
どんな理由があっても、バイヤーの信頼性を確認してからeBay以外での取引は検討しましょう。
3. 取引を急がせる
オークションなのに、即決で購入したいと言ってくるバイヤーには気を付けましょう。また「入金したからすぐに発送してほしい!」と急かしてくるバイヤーにも要注意です。
取引をやたら急がせるのは詐欺の常とう手段です。これも注意していれば必ず見抜けます!
どんなに急かされても、入金が確認されてから発送するようにしましょう。



4. 別の住所に発送させようとする
理由をつけて別の住所に発送させようとしてくる場合も、対応してはいけません。これも詐欺でよくみられるケースです。
未着などもしもの時に補償してもらえなくなるなどトラブルの元になりますし、アカウントが不正利用されている可能性も否めません。
どんなにお願いされても、別の住所に発送することは「規約上できない」と突っぱねることが大切です。
支払い前であれば、バイヤーに「住所変更の手続きをすれば希望の住所に送れる」と手続きするよう案内すれば、詐欺であるか否かを判別できます。
支払い後の場合は住所の変更ができないため、一旦取引をバイヤー都合でキャンセルし、購入し直してもらいましょう。
5. メールアドレスがおかしい
取引中に公式サイトを名乗るメールが届いた場合は、正しいアドレスであることを確認しましょう。
見たこともないようなアドレスだった場合は、詐欺の可能性があります。サポートセンターに問い合わせるなどして、慎重に取引を進めていきましょう。
特にアドレスの末尾が「.com」や「co.jp」など有名なものではない場合は、よく内容を確認し、安易にクリックしないようにしてください。
eBayの詐欺に限らず、日ごろからメールにあるリンクへアクセスしないように意識づけておくと、被害に遭うリスクを大きく下げられます。
メール確認はセラーハブから行ったり、公式サイトへのアクセスは「お気に入り」を使ったりするなど、自衛を徹底しておくと安心です。
6. ポジティブ評価が極端に少ない
バイヤーについているポジティブ評価が少なすぎる場合は、危険信号です。
eBayでは、取引終了後にセラーがバイヤーへ評価をつける際、「ポジティブ評価を残す」か「評価をしない」かを選べる仕様になっています。
そのため、ポジティブ評価の数が極端に少ないバイヤーは、過去の取引でセラー側に何らかの懸念を抱かせた可能性が高いといえます。
トラブルを未然に防ぐには、取引履歴や評価内容を事前に確認し、怪しい兆候がないかをチェックすることが重要です。
7. アンダーバリューを求められる
アンダーバリューとは、本来の販売価格よりも低い金額をインボイスに記載して発送する行為を指します。
バイヤーが支払う関税や輸入税を減らす目的で、「ギフト扱いにしてほしい」「10ドルと書いて」などと依頼してくることがあります。
こうした依頼に応じると、eBayのポリシー違反になるだけでなく、海外輸出における法律違反にも該当し、重大なトラブルに発展しかねません。
また、インボイスに記載された金額が低いと、配送中の破損や紛失に対して補償される金額も低くなってしまうというリスクもあります。
たとえ依頼が丁寧なものであっても、軽く受け止めず、詐欺やトラブルの前兆ととらえて、慎重に対応することが大切です。
8. 要求や話が二転三転する
「届いていない」「やっぱり別の住所に送って」「一部しか届いていない」など、バイヤーの主張がコロコロ変わる場合は注意が必要です。
このようなバイヤーは、意図的に状況を混乱させて責任の所在をあいまいにし、返金させようとするケースがあります。
過去には、長文で同情を誘ったり、感情に訴えてセラーの判断を揺さぶるようなやり取りをしてくる詐欺事例もあります。
主張に一貫性がないと感じたら、やり取りはeBayメッセージ内に限定し、記録を残しておくことが大切です。
証拠をきちんと保全することで、万が一のトラブル時にも対応しやすくなります。
eBayでの詐欺を未然に防ぐ5つのポイント
eBayでの詐欺を未然に防ぐポイントは、以下の5つです。
- 梱包前に写真を撮影しておく
- 商品情報を記録しておく
- 高額商品を発送するときには補償をかける
- 不審に思ったらeBayに相談する
- 商品説明(Description)にも返品ポリシーを記載しておく
順番に説明していきます。
1. 梱包前に写真を撮影しておく
梱包前に商品の写真や梱包状況を撮影しておきましょう。
すべての商品で撮影するのは大変ですが、トラブル発生時の有力な証拠となります。



また、梱包から発送直前までの一連の流れを動画で残しておくと、より強力な証拠になります。破損・数量違い・未着詐欺など、さまざまなトラブル対策にもなります。
とはいえ、すべての商品を毎回動画で撮影するのは、手間がかかり現実的ではありません。そのため、対象を絞って、自分なりの基準を設けておくと無理なく継続できます。
特に以下に該当する商品は、必ず撮影しておきましょう。
- 高額商品
- 壊れやすいもの
- 人気商品
どのように梱包したのかがわかるように、複数枚撮っておくと安心です。
2. 商品情報を記録しておく
シリアルナンバーや商品番号など個別に識別できる情報がある商品は、商品情報を記録しておきましょう。
返品詐欺(すり替え詐欺)の場合、返品された商品が本当に発送したものであることを証明するために、シリアルナンバーや商品番号が大きな証拠になります。
固有番号がない商品の場合でも、商品の特徴や外観などをメモや写真で記録しておくだけでも、詐欺対策として有効です。
また、トラブルを防ぐためにも、可能な限り追跡番号がある発送方法を選ぶことをおすすめします。追跡番号があれば配送状況の確認や、万が一の際の証明として役立ちます。
こうした備えをしておくことで、万が一詐欺の被害に遭っても冷静に対応でき、被害を最小限にできるでしょう。
3. 高額商品を発送するときには補償をかける
高額商品を発送する際は、必ず補償が受けられる発送方法を選びましょう。
万が一、破損や紛失などが起きた場合でも、補償があれば損失額を最小限に抑えられます。
海外への発送の場合は、破損や紛失といったトラブルが国内より起こりやすい状況です。
海外では、日本の配送業者のように、丁寧に扱ってはくれるとは限りません。
そのため、破損や紛失が起こりうることを前提に、補償付きの発送方法を優先的に利用することをおすすめします。
eBayで発送した商品の補償については、以下の記事で詳しく解説しています。気になる方は、ぜひ参考にしてみてください。


4. 不審に思ったらeBayに相談する
取引をしていて相手の行動に不審な点がある場合は、迷わずにeBayへ相談しましょう。
詐欺は年々巧妙になっており、手口もどんどん増えてきています。
相談によって詐欺が発覚し、被害を未然に防げることがあります。
おかしいと思った時点で相談していれば、被害を最小限に抑え、スムーズに対応してもらえるはずです。
eBayへ相談する際は、マイページへログイン後、メニュー左側「お問い合わせ」を選択すると、お問い合わせフォームへアクセスできます。
「怪しい」「おかしい」と思いながら取引を進めることのないように、不審な点は相談・確認し、自衛しながら作業していきましょう!
5. 商品説明(Description)にも返品ポリシーを記載しておく
返品ポリシーとは、バイヤーからの返品に関する対応方針を、あらかじめ取引条件として設定しておく必須項目です。
eBayでは「Business Policy(ビジネスポリシー)」機能を使って、必ず返品ポリシーを設定する必要があります。
さらに、設定した内容と同じ内容を商品説明欄(Description)にも記載しておくと、バイヤーとのトラブルを防ぐ効果があります。
たとえば「返品は30日以内、送料はバイヤー負担です」など、シンプルな一文を入れておくと親切です。
eBayで詐欺に遭ってしまったときの対処法3選
eBayで「詐欺に遭った」「詐欺かもしれない」と気づいた場合は、すぐに対処すれば被害を最小限に抑えられます。
eBayで詐欺に出くわしたときにやるべきことは、以下の3つです。
- 落ち着いて状況を確認する
- 商品破損クレームには証拠画像の提出を依頼する
- eBayに相談する
詳しく解説していきます。
1. 落ち着いて状況を確認する
詐欺に出くわしてしまうと焦って対処してしまいがちですが、まずは落ち着いて状況を把握することが大切です。
焦ってすぐに返金の手続きをしたり、バイヤーの言われるがままに対応したりしてはいけません。
一旦気持ちを落ち着け、まずはバイヤーの主張する状況を把握するために写真を送ってもらい、商品の状態を確認することから始めましょう。
状況が確認できない場合は「その後の手続きも進められない」と、はっきり相手に伝えてください。
商品がバイヤーのところへ届いているか否かを確認する方法については、以下の記事で詳しく解説しています。気になる方は、ぜひ参考にしてみてください。


2. 商品破損クレームには証拠画像の提出を依頼する
バイヤーから「商品が破損していた」と連絡があった場合、最初に依頼すべきなのは、破損箇所の写真の提出です。
写真があれば、本当に破損しているのか、不当なクレームではないかなどを判断する材料になります。
中には、返品や返金を狙った悪質な詐欺もあるため、証拠画像の提出は対応を進めるうえで欠かせないステップです。
また、画像に不自然な加工の跡があったり、背景が明らかに異なっていたりする場合は、バイヤーの意図を疑うべきサインといえます。
提出を拒否されたり、写真の内容があいまいで判断が難しい場合には、eBayへ報告し、第三者の判断を仰ぐことをおすすめします。
3. eBayに相談する
取引において迷ったり困ったりした場合や、相手に不信感を抱いた段階で早めにeBayへ相談しましょう。
返品詐欺(すり替え詐欺)などの場合は、その後の手続きの流れについて指示してくれます。
詐欺の確信がある場合は、警察への被害届の提出も検討しましょう。
早い段階で相談していれば被害を未然に防げる場合もあり、また、トラブルが起きても迅速に対処してもらえる可能性があります。



eBay詐欺の対処法と予防策を知っておこう
eBayで行われる詐欺には特徴があるため、手口や見分け方を事前に調べておくことで、詐欺被害を未然に防げます。
海外輸出は慣れない英語での取引となるため、不安に感じることも多く、バイヤーから返品や返金を迫られると焦ってしまいがちです。
しかし、バイヤーから返品や返金を求められるケースの中には、詐欺が含まれることも多いため、落ち着いて状況を把握し、丁寧に手続きを進めていくことが大切です。
詐欺の手口は年々巧妙になっているため、焦ると冷静さを失い、被害に遭うリスクが高まります。
この記事を読んだあなたなら、落ち着いて対策を講じられるはずです。
詐欺に関する知識を常にアップデートし、正しく自衛しながら安心して、eBay輸出を続けていきましょう!