転売と言うと「違法でしょ」「悪徳な商売だよね」など、どちらかというと悪いイメージを持っている人が多いのではないでしょうか。
しかし、国内外への転売は違法ではなく、むしろ真っ当なビジネスです。
今回は現役輸出プレイヤーであるゆうきが、海外転売で違法になるケースについて、詳しく解説していきます。
この記事を読むことで得られるメリットは、以下の通りです。
メリット一覧
- 海外転売が違法となるケースがわかる
- 海外に転売しても違法にならないものがわかる
- 海外転売をするときの注意点がわかる
転売をビジネスとして取り組むなら、国内・海外に関係なく法律や規則を遵守しなければいけません。
安全に取引して真っ当に稼ぐためにも、ぜひ最後まで読んでしっかり理解を深めておきましょう!
なお、当ブログでは語りきれないeBay輸出で稼ぐコツを、ゆうきのメルマガにて詳しく解説しています。
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【結論】海外への転売は違法ではない
結論から言うと、海外への転売は違法ではありません。もちろん、国内に対する転売も同じです。
しかし、転売のやり方を一歩間違ってしまうと違法とみなされるケースもあるため、注意が必要です。
とくに海外転売の場合は、日本だけでなく相手国の法律等などに違反していないことも確認する必要があります。
海外への転売が違法となる6つのケース
日本から海外へ転売する場合、何も考えずに出品してしまうと違法になってしまう恐れがあります。
最悪の場合、刑罰に処される恐れもあります…。
違法となるケースは、主に以下の6つです。
- 輸出入が禁止されているものの転売
- チケット不正転売禁止法に抵触する場合
- 無免許・無届けでの転売
- 偽物の転売
- アンダーバリューでの販売
- 知的財産権を侵害している
詳しく見ていきましょう。
1. 法律で禁止されている物の転売
海外転売の場合は日本だけでなく、取引先となる相手国の法律にも違反しないように進めなければいけません。
- 日本の法律で、日本からの輸出が禁止されているもの
- 相手国の法律で、海外からの輸入が禁止されているもの
上記いずれかに該当する状態で転売すると、違法になります。
日本からの輸出については、関税法によって以下の物品が禁止されています。
- 麻薬、向精神薬、大麻、あへん、けしがら、覚醒剤
- 児童ポルノ
- 特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権、著作隣接権、育成者権を侵害する物品
- 不正競争防止法第2条第1項第1号から第3号まで又は第10号から第12号までに掲げる行為を組成する物品
輸出が明確に禁止されていないとしても、物品によっては規制や許可が必要となることもあります。
相手国にも日本と同じように輸入が禁止・規制されている物品があるため、必ず遵守しなければいけません。
「法律を知らなかった」は通用しないので、転売する前に相手国の法律に違反していないことを、必ず調べておきましょう!
2.チケット不正転売禁止法に抵触する場合
音楽ライブや試合観戦などのイベントチケットを高額で販売することは、2019年6月14日に施行された「チケット不正転売禁止法」によって禁止となりました。
該当するチケットは主催者が「転売禁止」を明記している場合にのみ適用され、すべてではありません。
例えば新幹線のチケットや商品券などは転売禁止の記載がないため、従来通りの方法で転売が可能です。
急用が入ってしまい友人や家族に定価で譲る場合も、不正転売とはなりません。
転売禁止とされているチケットのイベントに行けなくなった場合には、公式で発表されている「チケットトレードサービス」を利用しましょう。
利益を目的としたチケット転売は法律で禁止されているので、絶対に止めてください。
3. 無免許・無届けでの転売
必要な免許や届け出を取得しないで転売した場合も、違法になります。
販売するために免許や届け出が必要になる物品は、主に以下の3つです。
- 中古品
- 酒類
- 医薬品・医療機器
転売を始める前に免許の申請を行わないと、違法とみなされてしまいます。
とくに中古品の販売は気を付けるべきで、海外へ転売する場合でも、古物の仕入れ先が国内の場合は「古物商許可」が必要です。
無免許で中古品を仕入れ、海外に向けて転売しないように注意しましょう。
なお、中古品販売における古物商許可の必要性については「eBayで中古品を販売するなら古物商許可が必須!取得するメリット・稼ぐコツを解説」の記事で、詳しく解説しています。
eBay転売を基に解説していますが、他の方法で海外転売を行うセラーにとっても役立つ内容となっているので、ぜひ参考にしてみてください!
4. 偽物の転売
偽物の転売も違法となります。気を付けなければならないのは、偽物と知らずに転売した場合も逮捕される恐れがある点です。
ブランド品などの偽物を転売してしまった場合、以下のような罪に問われる可能性があります。
- 商標法違反
- 不正競争防止法違反
- 詐欺罪
偽物と知らずに転売した場合でも逮捕される可能性が高く、知らなかったという事実を証明できなければ罰せられる恐れがあります。
そのため、高級ブランドなど偽物が横行している物品を仕入れる際は、常に注意を払うようにしましょう。
5. アンダーバリューでの販売
関税を安くするために、アンダーバリューで販売するのも違法行為に当たります。
アンダーバリューとは、バイヤーが払うべき関税を虚偽申告によって免れようとする行為のこと。
アンダーバリューに該当する方法は、以下の2つがあります。
- 取引価格を低く申告する
- ギフト扱いで発送を依頼する
アンダーバリューで販売した場合、バイヤーだけでなくセラー側も罰則を課せられます。
各国の税関が厳重に調査しているので高確率で発覚し、罪に問われることはもちろん、未遂でも厳しく罰せられる点は知っておくべきです。
バイヤーから上記の方法で販売および発送するように依頼されることがありますが、バレないだろうと思って安易に受けるのは絶対に止めましょう。
6. 知的財産権を侵害している
知的財産権を侵害している商品も転売が認められていない物品のひとつです。
具体的には、以下のような商品が該当します。
- 偽造品、コピー品、版権に問題がある商品の販売
- 画像や著作物の無断使用
ちなみにeBayでは、知的財産権の侵害を防ぐために「知的財産保護プログラム(VeRO)」が策定されています。
eBayで出品するすべての商品に対し知的財産権を侵害しないように配慮しなければなりません。
また、eBayでは以下のような行為は禁止されています。
- 第三者の著作権、商標、その他知的財産権を侵害するよう他者に促す行為。または第三者がこれらの権利を侵害できるように取り計らう行為
- eBayの会社名、ロゴ使用、eBayからWebサイトへのリンク等、eBayの知的財産権を不正使用する行為
- 信憑性に関する免責を記載すること。あるいは商品への責任を負わない旨を記載すること。
- 無許可で第三者の画像、商品説明を使用すること
恐らく、海外転売ができる他のプラットフォームでもeBayのような規約が定められているはずです。
販売しようとしている物品が知的財産権に抵触しているか気になる人は、プラットフォームの規約をあらかじめ確認しておきましょう。
海外へ転売しても違法とならない4つのケース
海外に転売しても違法とならないケースは、以下の4つです。
- 不用品の販売
- 無在庫転売
- 新品の転売
- 免許を持っている人の中古品・酒類の転売
ひとつずつ見ていきましょう。
1. 不用品の転売
海外に不用品を転売する場合、販売のために仕入れた不用品でなければ違法ではありません。
自分の不用品を出品する分には、古物商許可がなくても販売が可能です。
しかし、他人の不用品を販売目的で仕入れた場合は「古物」となるため、許可がなければ違法になります。
2. 無在庫転売
在庫を持たずに転売する「無在庫転売」も、法律的には問題ない方法です。
無在庫転売は、使用するプラットフォームで禁じられていなければ違法にはなりません。
仕入れる前に出品しておき、商品が売れた段階で仕入れるため、在庫を持つ必要がないことがメリットです。
在庫を持つ必要がなく、少ない資金で転売を始められることから、初心者セラーにもおすすめできる手法です。
ちなみに、無在庫転売が認められているプラットフォームの1つに、eBayがあります。「【朗報】eBay無在庫販売は禁止ではない!注意点や失敗しないポイントを解説」の記事では、eBayの無在庫転売について解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
3. 新品の転売
海外へ転売するにあたって、新品を取り扱う人は多いでしょう。
新品の転売も法律に抵触しない商品であれば、違法には当たりません。
ただし、法律による禁止・規制だけでなく、プラットフォームで禁制品に指定されている物品もあります。
そのため、新品を転売する際は法律とプラットフォームの両方を確認しておきましょう。
4. 免許を持っている人の中古品や酒類の転売
免許を持っている人の中古品や酒類の転売も、違法には当たりません。
お酒や中古品は免許の保有者のみが販売できるように決められているため、無免許で転売してしまうと違法になってしまいます。
とくに、古物商許可を所持せずに中古品を販売したために「古物営業法違反」で摘発されるケースがよくあります。
許可証がもらえるまで日数がかかるため、中古品を扱う場合は早めに申請しておきましょう。
違法転売にならないために注意すべき6つのポイント
海外への転売は、日本で行う場合よりも注意すべき場面が多いのが実情です。
とくに注意が必要なポイントは、次の6つです。
- 古物商許可など必要な免許を取得してから販売する
- 日本および相手国の法律規制をよく調べる
- プラットフォームの規則を遵守する
- 常に最新情報を入手する
- 税金の知識を身につける
- 税関に申告する
繰り返しになる点もありますが、大切なことなので詳しく見ていきましょう。
1. 古物商許可など必要な免許を取得してから転売する
すでに販売したい商材が決まっている人は、必要な免許を取得してから転売を行いましょう。違法行為に抵触してしまったとしても「知らなかった」「ついうっかり…」では済まされません。
転売で多い違法行為が「古物営業法違反」です。
許可を得ずに転売した場合は「古物営業法第31条第1号」により、3年以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられる恐れがあります。
転売前に各都道府県の警察署にて、古物商許可の申請を行ってから取り組みましょう。
2. 日本および相手国の法律規制を良く調べる
海外へ転売する場合は、日本だけでなく相手国の法律や規制もよく調べておくことが大切です。
とくに、相手国の法律や規制を知らずに転売してしまうと違反してしまい、処罰を受けるリスクがあります。
「他のセラーも売っているから大丈夫」などと安易に思わずに、必ず自分で調べてから取り扱うようにしましょう。
3. プラットフォームの規則を遵守する
海外に転売する場合は、基本的にeBayなどのプラットフォームを利用することになります。
利用する前に規則をしっかり確認し、遵守したうえで取引をしましょう。
規則が外国語で読み取れない場合は、Google翻訳などを使って読み込むくらいのことはしてください。
プラットフォームの規則を守らずに転売してしまうと、アカウントが凍結されたり、売上金を引き出せなくなったりするなどの不利益を被ります。
4. 常に最新情報を入手する
海外への転売を行うなら、日本だけでなく取引先となる国を含め、常に最新情報を確認できるようにしておきましょう。
法律の改正や新たな規制など、情報は日々変わります。ニュースにならない規制変更もたくさんあるため、注意が必要です。
法律や規制を守ることは、取引相手だけでなく自分を守ることにもつながります。
とくに新しい商品を扱うときは安易な自己判断はせずに、必ず最新情報を確認してから転売するようにしましょう。
5.税金の知識を身につける
売上から経費を差し引いた金額(所得)が年間で20万円を超えたら、確定申告を行う必要があります。
確定申告は自身の所得を国に申告する作業なので、必ず行わなければなりません。
稼いでいるにもかかわらず確定申告を怠ると、国に所得を申告していないことになるので、脱税とみなされます。
脱税とみなされた場合、本来支払うべき税金に重加算税が上乗せされ、とくに悪質と判断されると懲役刑も課せられる恐れがあります。
確定申告を怠るだけで余計な支出が増えてしまうので、期限内に必ず提出しましょう。
6.正しい情報を税関に申告する
輸入転売する場合、個人輸入と小口輸入によって発生する税金が異なります。
- 個人輸入:個人使用が目的
- 小口輸入:営利目的
個人輸入は特定の条件を満たすと、支払う税金がさらに安く済みます。
営利目的での輸入にもかかわらず、個人輸入と申告するのは脱税となるので、虚偽の報告はやめましょう。
税関へ正しく申告しても利益が出る商品を仕入れて販売しましょう。
海外へ転売するときに気になる6つの疑問
海外へ転売することの違法性について、多くの人が抱える疑問点をまとめてみました。
- せどりはなぜ違法と言われたり嫌われたりするの?
- 古物商許可はどうやって取得するの?
- 不用品を販売するときは古物商許可が必要?
- 個人が日本のものを海外に売るおすすめの方法は?
- 海外せどりでおすすめの売れるものは?
- スマホアプリでも商品を海外に売れる?
ひとつずつ確認していきましょう。
Q1. せどりはなぜ違法と言われたり嫌われたりするの?
せどりや転売が違法と言われたり嫌われたりするのは、ニュースなどで「転売ヤー」と呼ばれる悪質な転売業者の存在が広く知れ渡ったからです。
転売自体はこの記事でお伝えしてきたように違法ではなく、ルールの範囲内であれば合法の正規ビジネスです。
しかし、転売ヤーによる限定商品の買い占めや高額転売などの横行により、転売そのもののイメージを下げてしまっている現状もあります。
販売先が国内・海外など場所に関係なく、適正価格での販売を心がけ、嫌われないように転売をしていきましょう。
Q2. 古物商許可はどうやって取得するの?
古物商許可は、古物営業を行う拠点の所轄警察署にて申請手続きを行います。
自宅から商品を発送する場合は、自宅住所の所轄警察署ということになります!
事前に最寄りの警察に電話し、必要書類などを確認しておくとスムーズに手続きができるでしょう。
申請に必要な費用や書類など、詳しくは警視庁ホームページの「古物商許可申請」にてご確認ください。
Q3. 不用品を販売するのは中古品にあたり古物商許可が必要?
自分の不用品を売る場合、古物ではなく「生活用動産の譲渡」に当たると判断されるため、古物商許可は不要です。
しかし、他人の不用品を買い取って販売する場合は「古物」となり、古物商許可がないと転売できません。
古物商許可が必要となる主なケースは、以下の通りです。
- 仕入れた古物を売る
- 仕入れた古物を修理して売る
- 古物を預かって代理販売し手数料をもらう
- 古物を他のものと交換する
- 仕入れた古物をレンタルする
利益を得る目的で古物を仕入れて販売する場合は、必ず許可証を取得してから行いましょう。
Q4. 個人が日本のものを海外に売るおすすめの方法は?
個人が海外に商品を売る場合、eBayを使って販売する方法がおすすめです。
eBayは世界190ヶ国以上を対象に販売でき、10億人以上いるユーザーがターゲットとなります。
販売サポートが充実しており、無料出品も可能なので利用しやすいです。
稼げるようになるまでに時間がかかったり、外国語でのやり取りが必要だったりとデメリットも多少はあります。
しかし、継続すれば月に10万円以上稼ぐことは難しくなく、外国語のやり取りも翻訳アプリを使えば誰でも対応可能です。
eBay輸出の始め方については「【初心者必見】eBay輸出の始め方5ステップ!継続的に稼ぐコツについても4つ解説」にて詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
Q5. 海外せどりでおすすめの売れるものは?
具体的には、以下のような日本で手に入る商品は海外で人気があり、高く売れます。
- アニメ漫画グッズ
- 伝統工芸品
- 自動車・バイクパーツ
- 時計
- レトロゲーム など
海外では日本のものづくり技術の高さや、他にはない唯一無二の文化が評価されています。
上記でピックアップした品目は、いずれも日本の技術力や独自の文化に関する商品です。
また、ダイソーなどの100均商品は高いアイデア力が評価され、数千円で売れることもあります。
海外で売れるものについては「【利益の最大化】海外で高く売れるもの10選!高単価買取りされる商品の特徴についても解説」にて詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
Q6. スマホアプリでも商品を海外に売れる?
プラットフォームによっては、パソコンがなくてもスマホから商品を出品販売できます。
しかし、パソコンより画面が小さく操作性が悪いため、出品作業に時間がかかることは覚えておいてください。
あくまで出先の隙間時間などでの利用程度に留めておくといいでしょう。
一方で、スマホアプリには手軽に商品を出品できるというメリットがあります。
そのため、パソコンを持っていない転売初心者がスマホでお試しとして販売してみるのもいいでしょう。
eBayのスマホアプリについては「eBayアプリが日本語対応をスタート!設定方法や注意点などを解説」にて詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください!
海外への転売は違法ではない!ルールや注意点を守って稼ごう
海外への転売は法律や規制などのルールを守ったうえで行い、必要な許可証をきちんと取得していれば違法ではありません。
国内での転売と異なる点は、日本以外の国の法律や規制などを遵守しなければならないことです。
とくに禁制品の取り扱いなどは、日本とは大きく異なるため、常に新しい情報を手に入れて細心の注意を払う必要があります。
もちろん、国内での転売と同様に、法律やプラットフォームの規則を守ることも大切です。
悪いイメージの多い転売ですが、正しい方法で取り組めば違法性を気にすることなく、稼げる可能性があるビジネスです。ルールを守って安全に稼いでいきましょう!